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気がついたら死んでいた
気がついたら死んでいた
先刻まで夢見心地のバクテリアであったのに
気がついたら死んでいた
先日まで黒ずんだ腐葉土であったのに...
 
胡座と菩薩
好きにやってもようござんす
頭から尻尾まで
ほんとうの骨と
ほんとうの血液と
星がめぐれば金平糖
口から八百出るものと
ありきたりのコミュニズムは同質だ
サイレン
発条仕掛けのライオンが吠える
ビルの屋上にかすかな草を生やし
市の威信をかけてこしらえた...
一九八九年
さあキューブ
デボン紀の唐突で豊穣な
時空をくりぬいた水生立方…
もぐらの火

ただいま噴火したような

もぐら山脈の山伏が

沸き立つマグマの興ずるところ…

ある文筆家の生涯

何も持ち合わせのない人がありました

文明世界から吹いてくる

爛熟の鎌に刈り取られそうな稲もない…

田園帰還

草原の肌を鋼いろの音を立てながら

滑っていく電車を見た

琥珀の灯火を揺らめかせ

使い古されたオークの椅子に赤いベルベットが張られ

昇降式の窓硝子は緑がかった青にゆがんでいる…

ブーフーウー

どんぱっぱどんぱっぱ ばったもんのバッタ

ゆうくり風呂敷ふくらんだ

空気きいくう春ラッタ…

しるべ

つれない笑顔の標識は

いつでも誰かを誘っている

心底から来るため息と意識不明の野生の行く先を、図らずも導いている...