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レンズと爆竹

私は眼鏡をかけている

いつだって凸面硝子と窓枠だ

私は眼鏡をかけている

景色はぴかぴか嘘くさく

矯正を重ねてもますますぼやける...

何だかわかんない

わたしたちが生まれたところ

今宵はなぜだか琥珀色のあくび

涙目の向こうに蜃気楼

ゆらりとのびる捻じれた影は

一本の老いた巨樹であった…

モスキート

虫が飛んでいる

羽音が不意にたずねた

 

ヨハンセンは「交響曲の5番だ」と、言った

無智が、おもむろにテーブルを支配した

珈琲だけが真面目だった

それでも何食わぬ顔で生きていけるのだ…

誰誰誰

人間のようなひとがいました

人間のようなひと

「ような」がつけば不確かだ

不確かではあるが生きているので何らかの生物だ…

ふんどし

私はいま、ふわんふわんとゆれる風船の上にいる。

到底取り戻せないほど涙にぬれた赤い空と

途方もなく無味乾燥なコンクリートスラブの街並みと

この世のあらゆる真っ当をさえぎるために建てられたおんぼろテントの下

町のハヅレの...

空に思う
半信半疑で毎日を生きている。半分がほんとうで、半分が嘘の世の中だ。一方で現実に起こった事は、すべてほんとうのことであると信じてやまない人々がいるが、そんなのは嘘だと思っている…
野生のほし 〜野に舞う言葉が住まう場所〜

皆さんは「野詞」というものをご存じですか。

 

その言葉は私の日々綴っている雑記帳の端っこに、記されていたものです。

 

思いがけず目に留まったのですが、書いたときのことはすっかり忘れていました...

ある少女のこと〜見えざる色の肖像が生まれた日〜

私の内なる世界の住人の或る少女は目がまったく見えません。

生まれながらにして、光を奪われているのです...