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Nov 01.2023
森からこぼれる果実は何だ
歩いてきた風が 朝霧にとける
琥珀のかけら
くだけた矢じり
尽きぬおしゃべり 気球に乗って
ふらふらよろめき 雲にぼよん
Sep 16.2023
地平線がぐにゃりとまがる
それは海のはたらきが 片目をつぶったのだった...
Mar 29.2023
私は眼鏡をかけている
いつだって凸面硝子と窓枠だ
景色はぴかぴか嘘くさく
矯正を重ねてもますますぼやける...
Feb 03.2023
わたしたちが生まれたところ
今宵はなぜだか琥珀色のあくび
涙目の向こうに蜃気楼
ゆらりとのびる捻じれた影は
一本の老いた巨樹であった…
Jan 11.2023
虫が飛んでいる
羽音が不意にたずねた
ヨハンセンは「交響曲の5番だ」と、言った
無智が、おもむろにテーブルを支配した
珈琲だけが真面目だった
それでも何食わぬ顔で生きていけるのだ…
Dec 05.2022
人間のようなひとがいました
人間のようなひと
「ような」がつけば不確かだ
不確かではあるが生きているので何らかの生物だ…
Nov 25.2022
私はいま、ふわんふわんとゆれる風船の上にいる。
到底取り戻せないほど涙にぬれた赤い空と
途方もなく無味乾燥なコンクリートスラブの街並みと
この世のあらゆる真っ当をさえぎるために建てられたおんぼろテントの下
町のハヅレの...