去就
肉眼の淀み晴れぬまま
茫洋たる山向こうにそびえるキログラム原器
基準のキの字が放埒に雲遊び
揺蕩う気運の高まりか
それだから世界を揺るがせにする
般楽罪
国際司法にもとづいて
このとぼけた呑んだくれを捕獲せよ
たちまちお縄の聖人君子
勢いあまって禁固三〇〇年
ツリガネソウに縛りつけられ硝子蓋
雨と風にさらされ
苔がへばりつき
諸君は見事に彼を忘れる
それなのに今日も明日も
市場は潑剌とおどるだろう
森から人が歩み去って
余韻鳴り
花鳥はよろこぶ
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