何だかわかんない
わたしたちが生まれたところ
今宵はなぜだか琥珀色のあくび
涙目の向こうに蜃気楼
ゆらりとのびる捻じれた影は
一本の老いた巨樹であった
レンズを覗けばそれは舟であり
真緑に燃える細胞がおどっている
根っこが抱くのは母胎のような
羊の歌と無重力
虫とヒトと魚の赤ちゃん
土のゆりかごで眠っている
洞には電気こびとが巣をつくり
幹のなかは茫洋たる年代記と生命のガスに満ち
赤や黄色の星がまたたいている
時間の波が約束と秘密を歪ませ
時代の風が決まりごとを揺らします
「世界ってのは、何だかまあるいぞ。」
夢想をのせた鉛筆ロケット
ぐんぐん下に突き抜けて飛ぶ
セントエルモ セントエルモ
るちおとへえう るちおがごんり
- Tags: 詩
0 コメント