マトハヅレの結婚指輪のパッケージを リニューアルいたします。 ずっと真鍮の箱を作ってきましたが、 貴金属の高騰により、パッケージにかける時間を減らさざるを得なくなりました。 手作りの真鍮箱に劣らない、マトハヅレの考える「婚姻」をコンセプトに、マトハヅレらしいものに仕上がったと思います。 真鍮箱を楽しみにしてくださっていた方々もいらっしゃったかと思いますが、 新しい箱と風呂敷もきにいってもらえると思います。 風呂敷は日常でも使ってもらえるとうれしいです。 〈風呂敷のこと〉 ・ ・ いったい僕らは何者か どこからやってきて、どこへゆく 時にくじら、時に雲、時に蝶になり遊んでる 時に森、時に林檎、時にバクテリアになり踊ってる どうやらね、海からうまれてお空にかえる 静止するものは何ひとつなく 気ままないのちはゆらめくばかり ひとつの単調な旋律から 風をあつめて解き放つ 星がうずまく空の向こう そうしてはじまるオーケストラ ・ ・ いのちが生まれて消えゆくまでの歩みを、 またさまざまな生きものに生まれ変わり巡っていく様を、 ルネッサンス期の天井画をイメージしながら、円形画角で描きました。画材は筆です。 そのなかに、狐と思しきものたちが、よそ見をしながら歩く提灯行列が見えます。 婚姻は共に人生の歩を進めるために、愛するふたりが手を取り合う最初の儀礼です。 繁栄への展望を思い描きながら、その先にある未来の為に種をまく姿は、人間のみならずあらゆる生きものたちの魂に宿る根源的なプログラムだと言えます。 私たちはこれから一体どこに向かうのだろう。 突然の雨に備えて傘を差し、晴れわたる明日を探しに出掛けます。 シンプルながら複雑に機能する自然の営み、また多種多様な生きものたちの変遷を感じてもらえるとうれしいです。 ・ ・ 箱は桐箱です。 桐の産地のひとつである新潟の桐箱屋さんに ひとつひとつ手作りで作ってもらいました。 そして、桐箱にしるしをするために焼印をつくりました。 婚姻という伝統の風習を、単純だけど美しく表現できるかたちはないか。 受け継がれた血と同じように、先人の厖大な言葉が記された書簡を、私たちは胸のなかに抱えている。 その書簡に見立てた平面ふたつを交差して、 最小単位の立体を成す姿を考え、しるしに込めました。 ・ ・ 僕たちは生まれたときにはひとつの点だった 時間と経験に育まれ、線から面へと成長する その体には この世界の秩序と様々な人たちからの教えが...