「もりのクラン」

　けものの王国ポルカボンはたくさんのみどりにおおわれています。 

　とおい昔からこの場所に生きている動物や虫や草花が、国をかくしてしまうほど大きな森をつくりました。にんげんの足おとが聞こえないしずかな森です。 

　森のおくふかくで、せかいのひみつがいびきをかいて眠っています。もりのひとたちは何千年というながいながいあいだ、そのひみつを守りつづけてきました。 

　ごうごう飛んでいくほうき星が、森の空を真っ赤にした日にも、突然やってきた友だちをむかえるように、ながいお話をするのです。 

　生まれてくるいのち、死んでいくいのち、それらをしずかに見つめるひと。