「ほしのクラン」

　ポルカボンの北のほうがくに、たかい山がたくさんならんだ山脈があります。 

　ほしのひとたちは、その山のふもとの草原で、たくさんのひつじたちとくらしています。白い服に赤いおび、みんな顔にはお面をしています。丘のはずれにある教会のかねがなると、みんないっせいにお面をとります。なかからでてきた顔についている目は、ひつじに似ています。ひつじたちと暮らしていたら、ひつじのようになったのです。 

　朝日がきらりとかがやいて、まだうすむらさきいろの空に浮かんだポラリスに、星のうたをうたいます。星の動きとまたたきによって、せかいのすがたを知るのです。 

　青いいろをしたねがいごとは、鳥たちの背中にのって、山のむこうへ飛んでいく。ほしのひとは、生きているものたちのながくてみじかい旅を、やさしくてらすみちしるべ。